2021年11月12日

発注側と開発側の「相互理解」は難しいけど、無くてはならないという事が分かった話

投稿者: 株式会社セラフ: 営業・T

最近の話。
某大手証券会社と某大手開発会社が裁判で争うという事案が発生しました。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/060700813/

その裁判の趣旨を簡易的に説明すると
開発が遅延した事に対して発注側が開発側を起訴した裁判で                                一審判決では開発側に16億円の損害賠償を命じた。
ところが、東京高裁ではこの一審判決が覆り、
発注側に責任がある。という判決を下した。という内容。

この裁判では、一人の振る舞いに焦点が当たっている様子。
名門企業同士の係争なのに、どうやらきっかけとなっているのは一人の振る舞いが大きな要素に。
かなり衝撃的なお話でした。

ちょっとだけ内容に触れると、発注側の担当者が追加要件を出し続けた。
その行為は仕様要件を凍結しても尚続き、開発側に不利益をもたらした。


色々と端折ってしまうと、こんな内容。

開発関係者にとっては大して珍しい話ではないと思います。
大小の違いはあれど、この様な図式は誰しも経験のある話。
開発だけではなく、Web制作や動画制作などでも同様のことが起きるのではないでしょうか?

どうやらこの様な発注側の過失が認められる様になったのはそんなに遠くない話の様です。
原因は色々とあるものの、発注側と開発側で、出来ることなら双方が良い結果となる事が望まれる姿です。

なぜこの様なことが起きたのか?という原因は想像する以外にはありませんが、
私が経験した、あくまで表面的に同じ部類に入ると思われる事象で考えると、
発注側と開発側との認識の相違がそのようなことを引き起こすのではないかと思えて仕方ありません。

例えば、

【仕様では画面にAというボタンをつける。でも後になってBというボタンに変更した方が良い。
と判断したので発注者から変更の依頼をかけた。】

これ、表面上は「ボタンの種類が変わるだけ」です。

ところが、開発側からすると、その裏側に走っているプログラムを手間をかけて直す必要がある。
となった場合、この作業の双方が考える比重というのはかなりの開きがあります。
ましてや作業工数で費用が変わる商売をしている側にとってはかなり問題がある訳です。

裁判の話に戻りますが、そもそも既存のパッケージソフトのカスタマイズという話だったそうです。
このような場合、少なからず予算をかけてカスタマイズするのだから、

当然発注側は、
 ・自分たちの業務に合わせて完全にカスタマイズしたい。

開発側は、
 ・機能には限界があるので部分的に業務をソフトに合わせて欲しい

というギャップが生まれます。

どちらも思いとしてはよくわかります。
しかしながら、現実的には、このギャップを埋めることはかなり難しいと思われます。

裁判の内容は恐らくそんなに簡単ではないと思いますが、これが全く違う商売の話だとしたらどうでしょうか?
会社で社員が座る椅子が必要になった。

 サイトで探す。
  購入する。

これで完結です。

しかし、これを置き換えると、椅子を買ってみたが、
ひじ掛けの必要性を感じたのでひじ掛けをつけて欲しい。

キャスターをもっと滑るキャスターに変えて欲しい。
色が気に食わないから違う色にして欲しい。

もしあなたがこんな事を言われたらどうしますか?
じゃあ最初っから違う椅子を頼んで。という事になりますよね。

もし完全カスタマイズをしたいとなると、通常売っている椅子の何倍もの費用がかかるのは想像がつきます。
なので、買う側になったとしても言わないし、わがままは言いません。
そりゃケースが違いすぎるでしょ!と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、
感情論とは概ね似た構造を持っていると思えてなりません。

私がまだ20代の時に先輩からこんなことを言われたのを覚えています。
軽自動車を買う金額で、ベンツが欲しい。と言われても買えないだろ。それを分かってもらえ。と。

高級外車が欲しい人は多いですが、自分が買える範疇で車を選んで買うのは当たり前の話です。
ところが、開発などになると突然、タイヤを替えろ。ハンドル替えろ。シャーシを替えろ。エンジン替えろ。
だって気に入らないから。

となる訳です。

非常に不思議です。
裁判でキーとなった方も、恐らく自分が買うものすべてにこんな注文をつけているとは思えません。
発注する側と開発側、仕事を出す側、頂く側があるにせよ、同じゴールを目指して、
より良い取りお引きが出来ることが一番良い。という当たり前のことを噛みしめている今日この頃。
意見をぶつけ合う前に相互理解が出来ればいいのですが・・・。

「相互理解」という簡単な四字熟語を現実とするには相当高い壁が存在していると認識しました。
文字通り、「相互」に歩み寄る努力をしないと思わぬ結果をもたらしてしまう可能性がある事を教えてくれる事象。なかなかに考えさせられるお話でした。

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株式会社セラフ: 営業・T

新卒で住宅関連の工事会社で営業と現場監督を経験人材ビジネスの会社で、ヒラの営業担当から執行役員に昇進。セールスプロモーション企画会社で採用系の映像などのセールスマネージャー。現在株式会社セラフの営業担当SharePoint開発、オープン系開発、Web、動画などの営業を担当動画ではディレクションも担当。